除草を放置すると起こるトラブル

除草の放置によって起こる主なトラブル

パネル・ケーブルトラブル

火災・漏電の原因

害獣トラブル

近隣の迷惑

発電効率の低下

その他トラブル

 

 

パネル・ケーブルトラブル

パネル・ケーブルトラブル

背が高い雑草がパネルの上面をさえぎる時、意外なトラブルが起きます。多くの方が発電効率の低下を考えられるでしょうが、さえぎられる量がわずかであれば効率の低下は問題視する必要はありません。しかし部分的にパネルに影ができると、発電していない部分が電気的抵抗となって故障の原因となるのです。これを「ホットスポット」と呼びます。

雑草による太陽光発電へのダメージは他にもあります。

頻度として高いのは、草刈り機などの機械を使用して除草作業をしている時に、電動の刃物で電気ケーブルなどを切断してしまうことです。草が生い茂っているほどケーブルも見えにくくなりますし、作業者も早く終わらせたい気持ちから不注意な作業が増える可能性があります。

 

火災・漏電の原因

火災・漏電の原因

除草をしていないと、雑草はあっという間に生い茂ります。夏に繁殖した雑草が枯れたり、また草刈り機などで刈り取った草を放置したりしていると、秋から冬にかけて枯れて乾燥します。そうなると懸念されるのが火災です。

火種が無ければ火災は起こらないと思われるでしょうが、意外とソーラーパネルの周辺には火災は発生します。近くの畑で野焼きした火の粉が飛んできたり、タバコが投げ捨てられたりすることもあります。また、水が入ったペットボトルがレンズの働きをして発火することもあり得ます。

さらに草が生え放題になっていると虫が発生し、その虫を捕食するネズミが電源ケーブルをかじったりすると漏電を起こし、それが火災の原因になることもあるのです。

 

害獣トラブル

害獣トラブル

雑草が生い茂った状態を放置していると、景観も悪くなりますが、それだけではありません。

雑草の周りには虫が発生するようになるのです。
すると今度はその虫を捕食する生き物が住みつきはじめます。ネズミやイタチなどの小動物です。草が生えていると、それらの小動物にとっては自分たちが身を隠すにも都合が良いということもあります。これらの生き物は太陽光パネルの電源ケーブルをかじるなどの害を与えます。電源ケーブルが損傷すると漏電が起こって装置が止まったりしますし、火災の原因にもなるでしょう。

また、ネズミなどの小動物を狙ってヘビや猫なども寄ってくるようになるかもしれません。
猫であればパネルの上に乗ることができますから、それも故障の原因になります。

ほかにも草が生えることで鹿やイノシシが集まりやすくなります。イノシシは穴を掘る習性があり、実際にパネルの架台の下に穴を掘り、架台が傾いた事例があります。また枝を噛む習性もあるのでケーブルが噛み切られると故障の原因になります。

 

近隣の迷惑

近隣の迷惑

雑草がどんどん繁殖することによって周辺の住民の方々から苦情が来る、というのは太陽光パネル設備に付き物のトラブルです。
苦情として多いのは、まず見た目が悪いことです。特に太陽光パネルを設置するような場所は街中ではなく、景観を気にする一軒家がある場所でもあります。

また虫の発生も苦情になります。
虫が洗濯物についたり、家の中に入ってきたりすると気持ちがよくありません。始末が悪いことに虫の発生場所が分からず、別の場所から来ていても、太陽光パネルのせいにされてしまう可能性もあります。さらにネズミやイタチが住みつくなども住民が嫌がる点です。

そして平成29年にFIT法が改正され、外部から分かりやすい位置に太陽光発電所の事業者情報として名前や住所、場合によっては電話番号を記載した標識を掲示することが義務付けられました。これは周辺環境や住人の方への配慮と、発電所のトラブルを発見した際に責任者へ連絡を取りやすくすることで重大事故への発展を防止する目的がありますが、同時に苦情も寄せられやすい状況になりましたので、より一層、雑草をきちんと駆除するなどの近隣の方への配慮が大切になります。

 

発電効率の低下

発電効率の低下

雑草は太陽光発電自体の効率を下げる可能性があります。わかりやすい例としては草が太陽光パネル表面まで伸びて垂れさがったり、つる状に絡みついたりするパターンです。太陽光を草が遮断してしまえば、発電の効率が落ちるのは容易に想像ができます。

また、垂直に伸びる系統の雑草がパネルの裏面から圧力をかけ、故障の原因になることがあります。パネル裏面は金属でできているので容易に故障する訳ではありませんが、植物の力はあなどれません。一本の草では影響なくても草は無限というほど生えてきます。実際に裏面にかかった圧力でパネルが破損した例は無いわけではありません。

またフィルターに害を及ぼしたりすることもあり、繁殖した雑草は太陽光発電にとってかなりの脅威になりえます。

 

その他トラブル

その他のトラブル

太陽光発電システムにはパワーコンディショナーという重要なユニットがあります。これは発電された電気を家庭で使えるように変換する機能を持っており、比較的高いところに設置します。しかし、背が高い雑草…例えばセイタカアワダチソウなどはこのユニットに届くことがあり、すき間から内部に入り込んで故障を起こすことがあります。

子どもや動物が不用意に侵入しないように設置されたフェンスに草が絡まることで、トラブルになることもあります。金網状のものならそもそも風の影響を受けない前提ですが、草が絡まっていると強風で倒壊する可能性があります。フェンスが倒れることもダメージですが、パネルの表面にダメージを与えるようなことになれば、修理代がかかる上に発電ができないという二重の損失が発生します。